会社を辞めてからの半年ちょっとの準備期間は、何かと孤独を感じることが多かった。やめてから数か月は、外部の編集者として請け負う仕事もあったし、しやるべきことは山積み。前職のオフィスにも週に数回は足を運ぶことも多かった。けど、その仕事が着実に本になっていくなかで、家を出ることも少なくなっていく。そうなると、人と会う機会が一気に減っていく。
10年以上続いた会社員生活が終わって、これからは自宅をベースに仕事をしていくことになる。同僚と世間話をすることもなくなったし、お昼の休憩時間に喫茶店に行って本を読む、みたいなこともなくなった。ひとつ前の会社に転職をしたとき、かつての先輩に、「元同僚たちに会えないのが寂しいです！」とぼやいては笑われていたけど、コロナが広がってからの数年は、その時以上に人に会う機会が減った。人と会って話をする。それができないことが、こんなに寂しいことなのかと痛感する日々だった。
その分、仕事をしながら音楽を聴く時間は増えた。そして、音楽に救われることも多かった。自分が会社員をやめてから、新しい曲も古い曲もごっちゃまぜに聴いていたけれど、中でもBig Thief のchangeという曲は何度聞いたかわからない。環境が変わっていく中で、そっと背中を押してくれるような一曲だ。すべては変わっていく。その変化のなかに、いまの自分もいる。これからどうなんのかなーという不安のなかで、それでも一歩一歩前に進めたのは、話を聞いてくれたり、相談に乗ってくれた友人・知人たちのおかげだし、こんな音楽のおかげだったりする。
HPがまがりなりにも開設できて、SNSでの情報発信もした。ここ数年会えていなかった、連絡が取れていなかった方たちとも改めてつながることができた気がしている。今年は、寂しいなんていってられないぐらい、いろんな人に会える年になるといいな。
Big Thief / Change