蛾/大鋸一正

大鋸一正 

体裁:四六判・仮フランス装・200頁
価格:本体2,400円+税
刊行:2025年10月
ISBN978-4-911029-23-7 C0093

これは、何を読まされているのか?

独自の感性で切り取られた奇妙な現代小説。文学の可能性を拡張する、5つの試み。デビュー作『フレア』から30年、『春の完成』から25年、『O介』から11年振りの短篇集。

ある日、授業中の教室に侵入した一羽の蛾と、それを目撃した/しなかった子供たち(「蛾」)。妻の不思議な生態と、マラソンランナーの思弁(「石」)。人の手を転々とする、鳥のいない鳥籠(「鳥」)。解体された建物で発覚した計算違い(「烏」)。デビュー作にして代表作、「フレア」(第33回文藝賞優秀作)を大胆に作り替えた「fl」を含めた5つの短篇を掲載。

「覚えるなんて、簡単なことです」「忘れることにくらべれば」

「自分の手で正すことのできる間違いが必要だったんです。たとえ、どんな小さなものであっても」

文学の可能性を拡張する、5つの試み。

【目次】




fl(エフエル)

【著者略歴】
松本博明(まつもと・ひろあき)
大鋸一正 (おおが・かずまさ)
1964年岐阜県生まれ。多摩美術大学卒業。『フレア』で第33回文藝賞優秀作となる。著書に『ヒコ』『春の完成』『緑ノ鳥』『O介』(いずれも河出書房新社)がある。

【ジャンル】文芸書/日本文学、純文学