2023年4月1日(土)、『世界を文学でどう描けるか』刊行記念イベント第3弾として、著者の黒川創さんと、主にロシア文学の研究・翻訳をされている沼野恭子さんとの対談イベントを開催します。
サハリンへの旅へを描いた『世界を文学でどう描けるか』は、2022年のロシア軍によるウクライナ侵攻をきっかけに書き起こされたものです。本にも、サハリンで生活をするロシア国籍、ウクライナ国籍の人びとも登場します。その背景にある、ロシアという国のもつ複雑な歴史を垣間見ることもできます。
ウクライナへの侵攻が始まってすこし経ってから、書店に改めて並んだ一冊の本があります。2004年に翻訳刊行された、ウクライナのロシア語作家、アンドレイ・クルコフの『ペンギンの憂鬱』という小説です。著者は、侵攻が始まった当時キーフ在住。日本の新聞社にも、ウクライナの状況を伝える文章が掲載され、話題となりました。
今回の対談イベントでは、『ペンギンの憂鬱』ほか、長年ロシア語文学の翻訳を手掛けてきた沼野恭子さんにご登場いただきます。侵攻から1年、日本におけるロシア文学受容やロシア語への興味関心はどのように変化しているのか。「世界文学とロシア・サハリン」と題し、黒川創さん、沼野恭子さんのお二人に、多様な文化、多様な言語をもつロシアの歴史と文化、そして文学について、お話いただきます。
イベント後半には、2021年に沼野恭子さんと編訳した『ヌマヌマ はまったら抜けだせない現代ロシア小説』を刊行した沼野充義さんにも、オンラインで参加をしていただきます。ロシア文学を中心に、「世界文学」について長年研究をされてきた沼野充義さんには、サハリン在住のロシア語作家についてなど、お話いただきます。
長年ロシアの文学と向き合ってきたお二人と、黒川創さんの鼎談をどうぞお楽しみください。
イベント詳細は以下の通りです。
【イベント概要】
■登壇:黒川創・沼野恭子・沼野充義
■日時: 2023年4月1日(土)19:00〜21:00頃(18:30開場)
■会場:本屋B&B(世田谷区代田2-36-15 BONUS TRACK 2F)+オンライン配信
■来店参加(数量限定・1ドリンク付き) 2,750円(税込)
■配信参加 1,650円(税込)
■サイン入り書籍つき配信参加
1,650円+書籍『世界を文学でどう描けるか』2,640円(いずれも税込)※イベント後発送
申し込み方法などにつきましては、本屋B&BのHPもご確認ください。
こちらからも現地参加&配信の申し込み可能です。
【登壇者プロフィール】
黒川創(くろかわ・そう)
1961年京都市生まれ。1999年、初の小説『若冲の目』刊行。2008年『かもめの日』で読売文学賞、13年刊『国境[完全版]』で伊藤整文学賞(評論部門)、14年刊『京都』で毎日出版文化賞、18年刊『鶴見俊輔伝』で大佛次郎賞を受賞。主な作品に、『もどろき』『暗殺者たち』『岩場の上から』『暗い林を抜けて』『ウィーン近郊』『旅する少年』『彼女のことを知っている』など。(写真提供 新潮社)
沼野恭子(ぬまの・きょうこ)
1957年、東京都生まれ。東京外国語大学ロシア語学科卒業後、NHK国際局でロシア語短波ラジオ放送番組を担当。ハーバード大学講師を経て、92年東京大大学院博士課程満期退学。2008年より東京外国語大学教授。主な著書に、『ロシア万華鏡─社会・文学・芸術』『夢のありか──「未来の後」のロシア文学』、訳書に『ヌマヌマ──はまったら抜けだせない現代ロシア小説傑作選』(沼野充義と共編訳、河出書房新社)などがある。
沼野充義(ぬまの・みつよし)
1954 年、東京都生まれ。東京大学卒、ハーバード大学スラヴ語学文学科博士課程に学ぶ。ワルシャワ大学講師、東京大学教授を経て、現在名古屋外国語大学教授、東京大学名誉教授。著書に『徹夜の塊』三部作(『亡命文学論』『ユートピア文学論』『世界文学論』)、編著書に『世界は文学でできている 対話で学ぶ〈世界文学〉連続講義』(全5巻)、訳書にスタニスワフ・レム『ソラリス』『火星からの来訪者 知られざるレム初期作品集』、ウラジーミル・ナボコフ『賜物』、『新訳 チェーホフ短篇集』などがある。
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