推しが卒業するとき

推しが卒業するとき

大学教授、ハロプロアイドルを〈他界〉する。

森貴史 著

体裁:四六判・並製・カバー・320頁
価格:本体2,200円+税
刊行:2023年10月下旬
ISBN978-4-911029-03-9 C0073

卒業発表は突然に――

ハロー!プロジェクトのJuice=Juiceに所属する稲場愛香さん〈推し〉の大学教授。新曲やライブを楽しんでいた〈推し活〉の日々が、突然の卒業発表で一変してしまう。待ち受けるのは〈他界〉=推しを辞める未来しかないのか…… 取り戻せない「あの頃」のことを思い出しながら、アイドル文化とは何なのか、なぜ〈推し〉に惹かれるのかを考え始める。
〈推し活〉をするすべての人に送る、アイドルを応援することの楽しさを伝える「現場」体験記!

稲場さんの卒業公演が開催される2022年5月30日は、ぼくの「推し活」が終了する日である―――
(本書より)

【目次】

  まえがき
1 卒業へとつづく道
  卒業発表まえの稲場愛香さんのこと
  卒業までの近くて遠い道のり
  終わるラジオ番組たち
   オタクの肖像1 「かなこ」さん
2 推し卒業後の〈現場〉にゆく
  映画『あの頃。』を観にゆく
  宮本佳林さんのリリースイベントにゆく
  『STAGE VANGUARD 悪嬢転生』公演にゆく
  ラジオの公開生放送にゆく
   オタクの肖像2 「カーズ」さん
3 2022年春のJuice=Juice
  推し卒業まえのメンバーたち
   オタクの肖像3 「ハチ」さん
4 アイドル文化を考える
  アイドル文化の多様性
  アイドルをめぐる環境の変化
   オタクの肖像4 「かおり」さん
5 〈他界〉どころか、〈推し増し〉
  「単推し」の宿命
  アンジュルム 橋迫鈴さんのこと
  アンジュルム 平山遊季さんのこと
  番外編 きゅるりんってしてみて 島村嬉唄さんのこと
   オタクの肖像5 「むげい」さん
6 推しの卒業を受け入れる
  インターネットソロサイン会のこと
  アイドルもひとりの女性であること
  金澤朋子さんの芸能界引退
  卒業公演までの最後の1週間
   オタクの肖像6 「みうみう」さん
7 推しの卒業公演にゆく
  LINE CUBE SHIBUYAにゆく
  日本武道館にゆく

  あとがき

【著者プロフィール】
森 貴史(もり・たかし)
ドイツ文学者。1970年、大阪府生まれ。Dr. phil.(ベルリン・フンボルト大学)。現在、関西大学文学部(文化共生学専修)教授。主要著書・訳書に、『旅行の世界史 人類はどのように旅をしてきたのか』(星海社新書、2023年)、『リヒトホーフェン 撃墜王とその一族』(中公新書、2022年)、『ドイツの自然療法 水治療・断食・サナトリウム』(平凡社新書、2021年)、『〈現場〉のアイドル文化論 大学教授、ハロプロアイドルに逢いにゆく。』(関西大学出版部、2020年)、『裸のヘッセ ドイツ生活改革運動と芸術家たち』(法政大学出版局、2019年)、『踊る裸体生活 ドイツ健康身体論とナチスの文化史』(勉誠出版、2017年)、„Klassifizierung der Welt. Georg Forsters Reise um die Welt.“(Rombach Verlag、2011年)、ミヒャエル・H・カーター『SS先史遺産研究所アーネンエルベ ナチスのアーリア帝国構想と狂気の学術』(監訳、ヒカルランド、2020年)などがある。

【ジャンル】サブカル、アイドル