BEFORE・ラディカル・オーラル・ヒストリー
保苅実著作集BOOK1 生命あふれる大地
保苅実 著
体裁:A5判・並製・カバー・360頁
価格:本体2,600円+税
刊行:2024年4月刊行
ISBN978-4-911029-05-3 C1020
読者をいまなお駆り立てる『ラディカル・オーラル・ヒストリー』は、どのように書かれたのか。その軌跡が明らかになる。
『ラディカル・オーラル・ヒストリー』によって後世の歴史研究に大きな影響を与えることになった歴史学者・保苅実。いまなお後進に多大なインスピレーションを与え続ける著者の未単行本化エッセイ、論文を集成。
BOOK1には、保苅実のエッセンスが詰まった雑誌・新聞連載のエッセイほか、闘病中のメッセージなどを掲載。
閉塞感ただよう時代状況ではあるが、アボリジニもまた二一世紀の始まりを僕らと共有している。なんと喜ばしいことだろう。「人生なるようにしか、ならない」などと言って、シニカルになっている暇などないのだ。僕はオーストラリアでの体験を通じて、自由で危険な広がりのなかで一心不乱に遊びぬく術を学び知りたいと思っている。(「生命あふれる大地~アボリジニの世界」より)
【目次】
アボリジニの世界へようこそ!
生命あふれる大地~アボリジニの世界
ミノのオーラル・ヒストリー
誰が歴史家なのか
オーストラリア先住民の歴史――アボリジニと近代[卒業論文]
習作時代[同人誌「パルセウス」「アンニュイぽんち」掲載エッセイ]
闘病中のメッセージ
解説エッセイ 山本啓一
月へ旅立った彼 保苅由紀
【著者プロフィール】
保苅実(ほかり・みのる)
1971年、新潟市に生まれる。1996年、一橋大学大学院経済学研究科・経済学修士取得。1996年より、ニューサウスウェールズ大学在籍。歴史学Ph.D専攻。1999年よりオーストラリア国立大学に在籍、2001年にオーストラリア国立大学歴史学博士号取得。
1999年から2003年まで、オーストラリア国立大学太平洋・アジア研究所(人類学科、歴史学科)、人文学研究所に客員研究員として、2002年からは日本学術振興会特別研究員として慶應義塾大学に所属。
2003年7月、フィールドワークに向かう途中にて発病(悪性リンパ腫)。2004年5月、豪・メルボルンにて永眠。同年7月、オーストラリア国立大学にて豪州の先住民族研究者対象の保苅実記念奨学金が設立された。
著書に、『ラディカル・オーラル・ヒストリー オーストラリア先住民アボリジニの歴史実践』(お茶の水書房、2004年、岩波現代文庫、2018年)、『GURINDJI JOURNEY』(University of New South Wales Press、2011)がある。
写真提供:保苅実とつながる会/読売新聞社撮影
【編集協力】
保苅実とつながる会 / Being Connected with HOKARI MINORU
保苅実が投じた一枚の花弁が引き起こす爆発の行方を見守り、彼が最期の瞬間まで求めた人々とのつながりを大切にし、新しいつながりを創りつづけることを活動目的とする。著作権肖像権の管理をはじめとし、オーストラリア国立大学・保苅実記念奨学基金の窓口、保苅実写真展の開催の他、年に二回(7月と年末年始)のニュースレター発行などを活動内容とする。
【ジャンル】人文書/歴史学・文化人類学・社会学・哲学・思想
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