『保苅実著作集BOOK1 生命あふれる大地』刊行記念イベント 保苅実とつながる――1冊の本がつないだもの

保苅実『保苅実著作集BOOK1 生命あふれる大地』(図書出版みぎわ)
岡田林太郎『憶えている 40代でがんになったひとり出版社の1908日』(コトニ社)刊行記念 

鼎談 荻田泰永・保苅由紀・山本啓一

保苅実とつながる――1冊の本がつないだもの

2004年、『ラディカル・オーラル・ヒストリー』という規格外の本が刊行されました。「ども、はじめまして、ほかりみのると申します」から始まる本書は、オーストラリア先住民アボリジニについて書かれた研究書でありながら、挑戦的ともいえる文体と、「歴史実践」というキーワードに、多くの読者が魅了され、いまなお、研究者だけでなく、さまざまなジャンルの人々に影響を与え続けています。

図書出版みぎわでは、『ラディカル・オーラル・ヒストリー』を残して夭逝した保苅実さんの没後20年の節目の年に、『保苅実著作集BOOK1 生命あふれる大地』を刊行しました。本書の刊行を記念して、トークイベントを開催します。

お話いただくのは、保苅実さんの実姉であり、「保苅実とつながる会」の代表である保苅由紀さんと、大学時代の友人であり、現在は大学の教育改革者として活躍する山本啓一さんのお二人です。お二人が見た保苅実さんはどんな人だったのか、研究者としてだけでなく、ひとりの人間としての姿が伝わるような。

本企画のスタートに関わった、みずき書林の編集者・岡田林太郎さんも、保苅実から大きな影響を受けた一人です。昨年、没後刊行された『憶えている 40代でがんになったひとり出版社の1908日』(コトニ社)には、本を作る仕事をするうえで、また病気にあらがう上で、そして何より、生きる上で彼がどのように保苅実さんから影響を受けたのかが記されています。岡田林太郎さんと親交のあった冒険家・荻田泰永さんからは、岡田さんと保苅さんの本がどのようにつかがるのかをお話しいただきます。

本がつなぐ人と人との関りをめぐるイベントです。どうぞ、お楽しみに。

【イベント概要】
■登壇:荻田泰永・保苅由紀・山本啓一
■日時: 2024年5月17日(金)18:30〜20:30頃(18:00開場)
■会場:東京堂書店神田神保町店6階東京堂ホール
■来店参加 1,500円(税込)
■主催:東京堂書店・コトニ社・図書出版みぎわ

参加の申し込み方法につきましては、東京堂書店ホームページの予約フォームをご確認ください。

なお、本イベントは配信はございません。

イベント終了後、保苅実さん直筆サインのハンコを由紀さんより押していただく、サイン会も開催いたします。ほか、ステッカーも配布いたしますので、ぜひお越しください。

【登壇者プロフィール】

荻田泰永(おぎた・やすなが)
1977年神奈川県生まれ。カナダ北極圏やグリーンランド、北極海を中心に主に単独徒歩による冒険行を実施。2000年より2019年までの20年間に18回の北極行を経験し、北極圏各地をおよそ10,000km以上移動。世界有数の北極冒険キャリアを持ち、国内外のメディアからも注目される日本唯一の「北極冒険家」。著書に『考える脚』(KADOKAWA)など。

保苅由紀(ほかり・ゆき)
1967年生まれ。津田塾大学卒業後、クレディ・スイス・ファースト・ボストン東京支店入社。一九九四年ニューヨーク本店に転勤。ニューヨーク市立大学でマーケティングMBA取得。日興リサーチセンター、日興証券インターナショナルでアナリストとして勤務。弟の発病により退職。「保苅実とつながる会」代表。米国在住。

山本啓一(やまもと・けいいち)
一橋大学法学部卒、一橋大学大学院法学研究科修了。博士(法学)。専攻は国際政治学。2001年より九州国際大学、2016年より北陸大学。自大学にとどまらず多くの大学で様々な大学教育改革を手掛ける。主著に『今選ぶなら、地方小規模私立大学!――偏差値による進路選択からの脱却』(レゾンクリエイト、共著)など。